クレジットカードの不正利用は補償される?60日ルールの意味はカード会社で違う

身に覚えのない請求を見つけたとき、まず知りたいのは「この分は返ってくるのか」という一点だと思います。結論から言えば、第三者による不正利用は各社の会員規約にもとづいて原則補償されます。ただし条件があり、その条件でよく語られる「60日」は、カード会社によって意味がまったく違います。
届け出の期限を指す会社と、補償がさかのぼる範囲を指す会社があるためです。この記事では主要3社の公式規定を並べて違いを整理し、補償の対象から外れる条件と、気づいたときに取るべき手順をまとめます。
カード発行会社の公式規定と、法令の条文にあたって記事を書いています。この記事ではJCB・三井住友カード・楽天カードの各公式ページと、e-Gov法令検索の割賦販売法を2026年9月12日に確認しています。
クレジットカードの不正利用は原則として補償される
第三者にカードやカード番号を使われた場合、その利用分はカード会社の補償制度によって取り消されるのが原則です。これは法律で一律に定められた制度ではなく、各社が会員規約のなかに「会員保障制度」や「盗難保険」として設けているものです。したがって補償の細かい条件は発行会社ごとに異なり、自分のカードの規約を見に行かないと正確なところは分かりません。
とはいえ大枠は共通していて、会員本人に重大な過失がなく、所定の期間内に届け出ていて、カード会社の調査で第三者による利用と認められれば補償されます。逆に言えば、この3つのどれかが崩れると補償されない可能性が出てきます。
補償の根拠はカード会員規約の盗難保険
たとえば三井住友カードは会員規約に会員保障制度を定めており、楽天カードは盗難保険によって損害を負担すると案内しています。いずれも「カード会社が損害を負担する」という組み立てで、保険や規約にもとづく私的な補償です。公的な救済制度ではないため、補償されるかどうかの最終的な判断はカード会社が行います。
この点は消費者側からするとやや心もとないところですが、実務上は第三者による利用と確認できれば取り消されるケースがほとんどです。だからこそ、規約に書かれた条件を満たしているかどうかが決定的に効いてきます。
被害の9割超はカード番号の盗用
日本クレジット協会の公表値では、2025年のクレジットカード不正利用被害額は510.5億円でした。このうち番号盗用による被害が475.4億円を占めており、カードそのものを盗まれるより、番号だけがネット上で使われる被害のほうが桁違いに多いことが分かります。
手元にカードがあるのに不正利用されるのはこのためで、「財布はなくしていないから自分は関係ない」という前提は成り立ちません。偽造カードによる被害は7.2億円で、全体から見れば小さい割合にとどまっています。
| 被害の種類 | 2025年の被害額 | 全体に占める割合の目安 |
|---|---|---|
| 番号盗用 | 475.4億円 | 約93% |
| 偽造カード | 7.2億円 | 約1% |
| その他の不正利用 | 27.9億円 | 約5% |
| 合計 | 510.5億円 | 100% |
出典は一般社団法人日本クレジット協会のクレジットカード不正利用被害額調査です。割合は合計額から算出した目安で、協会が公表している区分をそのまま足し合わせています。
カードが手元にあるかどうかは、被害に遭ったかどうかの判断材料になりません。明細を見るまで気づけないのが番号盗用の厄介なところです。
自分のカードについて確認しておくとよいのは、次の5点です。いずれも会員規約か公式サイトのよくある質問に書かれています。
- カード会社の会員規約にある会員保障制度または盗難保険の条項
- 補償の届け出期限と、その起算点がいつなのか
- 暗証番号の入力を伴う取引の扱い
- 家族カードや同居人による利用の扱い
- 補償の限度額が設定されているかどうか
「60日」の意味はカード会社によって違う
不正利用の補償を説明する記事の多くは「60日以内に届け出ないと補償されない」と書いています。ただ、実際に各社の公式ページを読み比べると、同じ60日という数字が別のことを指していました。ひとつは届け出そのものの期限としての60日、もうひとつは補償がさかのぼる範囲としての60日です。
前者は期限を過ぎたら申請自体が受け付けられない設計で、後者は届け出さえすれば、そこから60日前までの利用が対象になる設計です。自分のカードがどちらなのかを取り違えると、まだ間に合うのに諦めたり、逆に安心しすぎたりすることになります。
届け出の期限を指す場合
JCBは公式ページで、補償の適用条件として「該当の明細が記載されたカードご利用代金明細の通知後60日以内の届け出が必要」と明記しています。ここで起算点になっているのは不正利用が行われた日ではなく、その利用が載った明細が通知された日です。
つまり9月に使われた分が10月の明細に載ったなら、その通知から数えて60日が期限になります。利用日から数えるより実際には猶予が長くなりますが、明細を何ヶ月も開かずに放置していると、気づいた時点で期限を過ぎている可能性があります。
補償がさかのぼる範囲を指す場合
一方で三井住友カードは「不正利用のご申告をいただいた日から遡って60日前までの利用」を補償の対象としています。楽天カードも同様に「紛失・盗難をお届けいただいた60日前にさかのぼり、それ以降の損害額」を負担すると案内しています。
この書き方だと、届け出が遅れること自体が直ちに補償の打ち切りになるわけではありません。ただし届け出が遅れるほど、さかのぼれる起点も一緒に後ろへずれていきます。結果として、古い被害から順に補償の対象外へこぼれ落ちていくという形になります。
3社の規定を並べて確認する
公式ページに書かれている表現をそのまま並べると、次のようになります。いずれも2026年9月12日時点で各社の公式ページを確認した内容です。規約は改定されることがあるため、実際に届け出る前には必ず自分のカードの最新の規約を確認してください。
| カード会社 | 公式ページの表現 | 60日が意味するもの |
|---|---|---|
| JCB | 該当の明細が記載されたカードご利用代金明細の通知後60日以内の届け出が必要 | 届け出の期限 |
| 三井住友カード | 不正利用のご申告をいただいた日から遡って60日前までの利用 | 補償がさかのぼる範囲 |
| 楽天カード | 紛失・盗難をお届けいただいた60日前にさかのぼり、それ以降の損害額を負担 | 補償がさかのぼる範囲 |
同じ60日でも、JCBは「いつまでに届け出るか」の期限、三井住友カードと楽天カードは「どこまでさかのぼって補償するか」の範囲を指しています。どちらであっても、気づいた時点ですぐ連絡することが最善の対応である点は変わりません。
不正利用が補償されない6つのケース
原則は補償されるとはいえ、規約には補償の対象外になる条件が並んでいます。各社の公式ページを読み比べると、書き方は違っても共通して挙げられている項目がありました。ここでは実際に規定として明記されているものを6つに整理します。
自分の状況がこれらに当てはまりそうなら、届け出のときに事実関係を正確に伝えることが重要になります。隠したり曖昧にしたりすると、後述するように、それ自体が補償されない理由になってしまうためです。
届け出が期限を過ぎている
届け出の遅れは補償に直結します。JCBは明細の通知後60日以内という期限を設けており、この期限を過ぎた届け出は補償の対象外です。三井住友カードや楽天カードのようにさかのぼる範囲で定めている会社でも、遅れた分だけ対象から外れていきます。
実際に、被害額の大半は補償されたものの、61日を超えた古い利用分だけが補償されなかったという相談がYahoo!知恵袋にも投稿されています。被害に気づいたら、原因の特定や証拠集めより先に連絡を入れるべきです。
暗証番号やパスワードが使われた
JCBは補償の適用外となるケースとして「暗証番号またはパスワードが使用された場合」を挙げています。三井住友カードも、会員本人の過失や故意によって第三者に暗証番号を知られた場合、暗証番号の入力を伴う取引は補償されないとしています。
暗証番号は本人しか知り得ない前提で運用されているため、それが入力された取引は本人の利用とみなされやすいのです。生年月日や電話番号など推測されやすい番号を設定していた場合、過失があったと判断される余地が生まれます。
家族や同居人による利用
会員本人、家族、同居人による利用は、各社そろって補償の対象外としています。JCBは「会員本人・家族・同居人によるご利用」を適用外に挙げ、三井住友カードも家族や同居人、代理人による不正利用は補償しないと明記しています。これは第三者による不正利用ではなく、家庭内の問題として扱われるためです。カード会社の補償では解決できない領域なので、心当たりがある場合は届け出の前に家族に確認したほうが早く片づきます。
カード裏面に署名がない
カード裏面の署名欄が空欄のまま使っていた場合、カードの管理が適切でなかったと判断され、補償が受けられないことがあります。署名は本人確認の手段として位置づけられており、署名のないカードは第三者が使いやすい状態にあると見なされるためです。
かっこ株式会社の調査でも、補償されなかった理由のひとつとして券面に署名がなかったケースが挙げられています。手元のカードを今すぐ裏返して、署名欄が埋まっているか確かめてください。数秒で終わり、効果は確実です。
商品が登録先の住所に配送され受領されている
JCBは「購入商品がJCBに登録のご住所に配送され受領されている場合」を補償の適用外としています。第三者が不正に購入したのであれば、その商品が会員本人の住所に届いて受け取られるのは考えにくい、という理屈です。この条件はあまり知られていませんが、家族が勝手に使ったケースを切り分ける役割も果たしています。
引っ越しや姓の変更を届け出ていないと、住所の照合がうまくいかず不利に働くことがあるため、登録情報は最新にしておくべきです。
調査に協力しない、事実と異なる申告をした
カード会社は届け出を受けると、利用状況を照会して第三者による利用かどうかを調べます。JCBは請求書類を提出しない場合や、虚偽の申告や重要な事実を告げなかった場合を補償の適用外としています。調査には数週間かかることもあり、その間に書類の提出や状況の説明を求められます。このやり取りに応じないと、第三者による利用だと確認できないため補償に至りません。
- 届け出が期限を過ぎている
- 暗証番号やパスワードが使われた取引である
- 会員本人、家族、同居人による利用である
- カード裏面の署名欄が空欄だった
- 購入された商品が登録住所に配送され受け取られている
- カード会社の調査に協力しない、または事実と異なる申告をした
6つのうち、自分でいますぐ潰せるのは署名欄と暗証番号、それに登録住所の更新です。被害に遭ってからでは間に合いません。
実際に補償されなかった人は13.3%
補償は原則されるとはいえ、現実にどれくらいの人が補償を受けられているのかは気になるところです。かっこ株式会社が2024年9月に、ネットショッピングでクレジットカードの不正利用被害に遭った全国の20歳以上の男女400人へ行った調査では、13.3%が補償されず自分で支払う結果になったと報告されています。
おおむね10人に1人が自己負担しているという数字です。この調査は被害経験者に限定したものなので、カード利用者全体の傾向ではない点には注意が必要ですが、補償が自動的に受けられるものではないことを示しています。
補償されなかった理由で最も多いのは期限切れ
同じ調査では、補償を受けられなかった人のうち24.5%が補償期間を過ぎていたと報告されています。規約の条件そのものが厳しかったというより、気づくのが遅れて期限に間に合わなかったというケースが目立つわけです。被害額の分布を見ると1,000円から5万円の範囲が47.1%を占めており、少額の被害が半数近くにのぼります。少額であるほど明細のなかで見落とされやすく、気づいたときには数ヶ月が経っているという流れが想像できます。
補償の有効期間を知らない人が57.3%
さらに同調査では、補償の有効期間を知らないと答えた人が57.3%にのぼりました。60代と70代では7割を超えています。被害に遭った経験がある人でさえ半数以上が期限を把握していないという結果で、期限の存在そのものが知られていないことが分かります。
また、被害の発覚のきっかけはカード会社からの連絡が44.3%、自分で明細を確認して気づいたのが41.5%でした。半数近くは自力では気づいておらず、カード会社の不正検知に助けられている状況です。
| 調査項目 | 結果 |
|---|---|
| 補償されず自己負担になった人 | 13.3% |
| 補償されなかった理由が期間経過だった人 | 24.5% |
| 補償の有効期間を知らなかった人 | 57.3% |
| 被害額が1,000円から5万円だった人 | 47.1% |
| カード会社からの連絡で発覚した人 | 44.3% |
| 対応完了まで1ヶ月以上かかった人 | 10% |
出典はかっこ株式会社が公表した消費者実態調査です。調査時期は2024年9月、対象は不正利用の被害経験がある20歳以上の男女400人となっています。
不正利用に気づいたときの手順
身に覚えのない請求を見つけたら、順番が決まっています。原因を調べたり犯人を推測したりするのは後回しで構いません。最初にやるべきはカードを止めることです。止めないかぎり被害は増え続けますし、届け出が遅れるほど補償の範囲は狭まります。紛失盗難の受付を24時間態勢としている会社が多く、深夜でも連絡できる場合があります。
まずカード会社に連絡して利用を止める
カード裏面や公式サイトに記載された紛失盗難デスクへ連絡し、不正利用の疑いがあることを伝えます。この時点でカードは利用停止となり、以降の不正利用は防げます。伝えるべきなのは、身に覚えのない利用の日付と金額、加盟店名、カードを最後に自分で使った日です。
明細を開いた状態で電話すると話が早く進みます。なお利用停止と再発行は同時に手配されるのが一般的です。新しいカードが届くまでの日数は会社によって異なるため、連絡時に目安を聞いておくと予定を立てやすくなります。
連絡の前に手元でそろえておくと、やり取りが一度で済みます。
- 身に覚えのない利用が載っている明細の年月
- その利用の日付、金額、加盟店名
- 自分が最後にそのカードを使った日と場所
- カードが手元にあるかどうか
- 本人認証のパスワードを入力した心当たりの有無
警察に届け出る
カード会社から警察への届け出を求められることがあります。最寄りの警察署か交番で遺失届または被害届を出し、受理番号を控えておきます。カード会社によっては、この受理番号を補償手続きの書類に記入する必要があります。番号盗用のようにカード自体を失っていない場合でも、届け出が必要かどうかはカード会社の指示に従ってください。会社によって運用が分かれるため、自己判断で省略しないほうが安全です。
調査に協力し、返金を待つ
届け出のあと、カード会社が加盟店に照会するなどして第三者による利用かどうかを調べます。この調査には数週間から1ヶ月以上かかることがあります。かっこ株式会社の調査では、対応完了まで1週間未満だった人が37.8%いる一方で、1ヶ月以上かかった人も10%いました。
調査中に請求日が来た場合、いったん引き落とされて後日返金される場合と、請求が保留になる場合があります。どちらになるかはカード会社の運用によるため、連絡時に確認しておくと不安が減ります。
- カード会社の紛失盗難デスクに連絡してカードを止める
- 身に覚えのない利用の日付、金額、加盟店名を伝える
- 指示があれば警察に遺失届または被害届を出し、受理番号を控える
- カード会社から求められた書類を提出する
- 調査結果と返金の時期について、見込みを確認しておく
調べてから連絡しようとすると、その分だけ補償の対象から外れる利用が増えます。原因が分からない状態でも連絡して差し支えありません。
一括払いでは支払停止の抗弁が使えない
カードのトラブルというと、割賦販売法の支払停止の抗弁を思い浮かべる方もいるかもしれません。ただしこれは不正利用の補償とは別の制度で、しかも翌月一括払いには使えません。同じカード決済でも、支払い方法によって法律の適用が変わるためです。この点は上位に出てくる解説記事でもほとんど触れられていないので、条文にあたって整理しておきます。
支払停止の抗弁とは何か
割賦販売法30条の4第1項は、包括信用購入あっせんで商品を買った人が支払いを請求されたとき、販売業者との間に生じている事由をもってカード会社に対抗できると定めています。商品が届かない、話と違うものが届いたといった場合に、カード会社への支払いを拒めるという趣旨の規定です。
同条2項では、この規定に反して消費者に不利な特約は無効とされています。一方で4項には、政令で定める金額に満たない支払総額には適用しないという除外も置かれています。
翌月一括払いが対象から外れる理由
鍵になるのは包括信用購入あっせんの定義です。割賦販売法2条3項1号は、この定義から「契約を締結した時から二月を超えない範囲内においてあらかじめ定められた時期までに受領することを除く」としています。つまり締結から2ヶ月以内に支払いが完了する取引は、包括信用購入あっせんに当たりません。
日本で一般的な翌月一括払いはこれに該当するため、30条の4の支払停止の抗弁を使えないことになります。分割払いやリボ払いであれば対象になり得ますが、一括払いのトラブルで頼れるのはカード会社の補償制度と加盟店との交渉です。
条文はe-Gov法令検索の割賦販売法で確認できます。法律の適用については個別の事情で判断が変わるため、金額が大きい場合は消費生活センターや弁護士に相談してください。
不正利用の補償と支払停止の抗弁は別物です。前者は会員規約、後者は法律。混同すると相談先を間違えます。
被害に遭う前にできる備え
番号盗用が被害の9割を超えている以上、カードを財布から出さなくても被害には遭います。できることは、被害を完全に防ぐことよりも、早く気づける状態を作っておくことに重心があります。補償されなかった理由の多くは期限切れでした。気づくのが早ければ、この理由はそもそも成立しません。ここでは手間がほとんどかからず効果が見込める備えを挙げます。
利用通知をオンにして明細を確認する
多くのカード会社が、カードを使うたびにアプリやメールへ通知を送るサービスを無料で提供しています。これを有効にしておけば、自分が使っていない決済が発生した瞬間に気づけます。明細を月に一度まとめて見る運用だと、最悪の場合は気づくまでに1ヶ月以上かかりますが、通知なら当日です。少額の被害が半数近くを占めることを踏まえると、金額の大小にかかわらず通知を出す設定にしておくのが安全です。
3Dセキュアとナンバーレスカード
本人認証サービスの3Dセキュアは、ネット決済のときにワンタイムパスワードなどで本人確認を挟む仕組みです。カード番号だけを知っている第三者は認証を通せないため、番号盗用への対策として有効です。また券面に番号を印字しないナンバーレスカードは、店頭やSNSへの写り込みから番号が漏れる経路を減らせます。どちらも申し込みや設定は短時間で済みます。
- カードの利用通知をアプリかメールで受け取る設定にする
- 3Dセキュアを登録し、ネット決済で本人認証を有効にする
- カード裏面の署名欄を埋める
- 暗証番号に生年月日や電話番号を使わない
- 住所や姓が変わったらカード会社の登録情報を更新する
よくある質問
不正利用の補償について、検索でよく調べられている疑問をまとめます。補償の条件は発行会社ごとに違うため、以下はあくまで各社の公式ページに記載がある範囲での一般的な回答です。個別のケースでは、利用された加盟店や決済の方法、届け出までに経過した日数によって結論が変わります。
実際に被害に遭っている場合は、この記事で全体像をつかんだうえで、自分のカード会社に直接確認するのが確実です。回答のなかで挙げている数値は、いずれも本文で出典を示したものと同じ調査にもとづいています。
ネットショッピングでの不正利用も補償されますか
カード番号だけを盗まれてネットで使われた場合も、第三者による不正利用と認められれば補償の対象になります。実際、被害額の9割超は番号盗用によるもので、カード会社もこの形態を前提に補償制度を運用しています。ただし本人認証のパスワードが使われていた場合は、JCBのように補償の適用外と定めている会社があります。
パスワードをフィッシングサイトへ入力してしまった心当たりがあるなら、その事実も含めて正直に伝えてください。隠すほうが不利になります。
返金されるまでどれくらいかかりますか
カード会社の調査を経てからの返金になるため、数週間かかるのが一般的です。かっこ株式会社の調査では、通報から対応完了までが1週間未満だった人が37.8%、1週間から2週間が31.8%、2週間から1ヶ月未満が20.5%、1ヶ月以上が10%でした。
調査中に引き落とし日が来ると、いったん請求されてから後日返金される場合があります。口座残高が不足すると延滞扱いになる恐れがあるので、引き落としがどうなるかは連絡時に確認しておくべきです。
補償に上限額はありますか
会社やカードの種類によって異なります。補償の限度額を設けている会社もあれば、第三者による利用と認められた分を取り消す形をとる会社もあります。自分のカードの上限を知りたい場合は、会員規約の会員保障制度や盗難保険の条項を確認してください。規約はカード会社の公式サイトでPDFとして公開されているのが一般的です。金額が大きい被害ほど調査が慎重になる傾向があるため、時間がかかることも見込んでおいてください。
届け出が60日を過ぎていたら、もう何もできませんか
あきらめる前に、自分のカードの規定がどちらの型かを確認してください。JCBのように明細の通知後60日を届け出の期限としている会社では、期限を過ぎた分は補償されません。一方、三井住友カードや楽天カードのように届け出日からさかのぼる範囲で定めている場合、直近60日以内の被害はまだ対象になり得ます。
古い被害がすべて切り捨てられるとしても、新しい被害が残っている可能性があるため、気づいた時点で連絡する価値は十分にあります。
まとめ
クレジットカードの不正利用は、第三者による利用と認められれば原則として補償されます。その条件としてよく挙げられる60日は、JCBでは届け出の期限を指し、三井住友カードや楽天カードでは補償がさかのぼる範囲を指していました。同じ数字でも意味が違うため、自分のカードの規約がどちらの型かを知っておくと、いざというときの判断を誤りません。
補償されなかった人は被害経験者の13.3%で、その理由として最も多かったのは期限の経過でした。裏を返せば、早く気づいて早く連絡することが、補償を受けるうえで最も効く行動だということです。利用通知をオンにする、裏面の署名欄を埋める、登録住所を最新にしておく。どれも数分で終わり、被害に遭ってからでは間に合いません。
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